左足首骨折(受賞直後は捻挫と診断)、後頭部挫創、めまいの3つが交通事故で負った主な症状でした。
私が一番懸念していたのと、最後まで残った後遺症が「めまい」でした。
①どの程度のめまい だったか?
車に衝突して、地面に仰向けに倒れているのに気付いた瞬間からめまいが始まりました。目を開けた時から世界がすごい勢いで回り始めてとても目を開けていられなかった。そのため、すぐ近くに来て話しかけてきた加害者の男性の顔も姿も、一切見ることが出来なかったです。
②退院の延期
救急搬送された時に、医師が一番経過を心配していたのは、後頭部の傷からの出血が多く縫合した後頭部挫創でした。それ故「もう傷は大丈夫だから、明日退院する?」と聞かれました。でも、4日間入院したのは、このめまいが酷かったからでした。
寝ていても、少し頭を横に動かしただけでもめまいで気持ちが悪くなる。当然、トイレに連れて行ってもらうために(ナースさんに手伝ってもらわないと無理なのです)ベッドから起き上がって行くのですが(そうじゃないとオムツとか膀胱に挿管になっちゃう)それだけで嘔吐してしまうくらいめまいがひどくなってしまう。
めまいがするとふらつく。つまり転倒の可能性が出てくるのです。
脳震盪を起こした後に、再度頭を打つと、その致死率は50%となる。ご存知でしたでしょうか?
https://www.kosei-hospital.kiryu.gunma.jp/cms/wp-content/uploads/2018/04/nou20150124.pdf
この「セカンド・インパクト」を起こさないために、医師から「絶対頭打たないで」と言われました。そのため、めまいがひどい私は、退院して自宅で付き添いがいない状態で転倒するのを防ぐために、即日退院することが出来なかったのです。
しかも、めまいが少し良くなってきたために退院することになった当日の朝、再び嘔吐を伴うほどのめまいが起きてしまい、医師はめまいを治める注射を打って、退院となったほどでした。
③退院後の症状
退院してから寝返りを打っても気持ちが悪くなるほどの回転性のめまいが起きて、10日ほどは寝たきりでした。キャスター付きの椅子で部屋からすぐのトイレに行くだけ。吐いてしまうのでウィダーインゼリーやヨーグルト、経口補水液くらいしか口にできなかったです。
事故直後からこの2週間ほどは人生で一番痛くてつらい思いをしました。正直「生きてる、でも死にたい」という感じです。
つまり「事故に遭っても命は無事だった、でも、死にたいくらい痛い」という気持ち。何をしてもめまいがする、寝ても後頭部の傷が痛い、痛いから痛くないポジションを探って頭を動かすとめまいがして吐きそうになる。すぐそこにある経口補水液を取ろうとしても、腕を伸ばして取ることができない。本当に痛くてつらかった。正直、2日かかった出産直後よりつらかったです。
④耳鼻科受診
退院直前にめまいがひどくなったために再度CTを撮影して「脳に異常なし」という診断が出ていたので、耳鼻科受診を勧められました。そのため、総合病院の耳鼻科を受診しました。
おそらく左耳の「耳石」が事故の衝撃で取れてしまっただろうという診断でした。
その時、診察するための椅子を倒したり、左右を向いただけなのに、診察が終わった後に嘔吐してしまうくらいでした。
2回目の診察の際は詳しく検査をしましたが、1分立っているだけでも本当につらく、終わった後はまた嘔吐してしまい、帰宅するのもやっとでした。
いずれも医師の話では「耳石が戻らなければ治らないし、これに慣れていくしかない」と言われました。この状態に慣れる?そんなことが出来るのだろうか?ペットボトルで飲み物を飲むのに少し上を向いただけでもぐるぐるとめまいがするのに?
ひどい宣告だなあ・・・と思いました。私を跳ねた人は、何も変わらず暮らしているんだろう。なのに私はずっとこのめまいに付き合っていかなくてはならないんだろうか?この頃はちょっと鬱っぽくなっていました。
⑤療養中
足首の捻挫が骨折だと判明したのは事故後3週間後、ギプス・シーネで固定した生活が1ヶ月半。その間、めまいは日によって軽かったり酷かったり。それは気圧によるのか、天気によるのか、温度によるのか分かりません。
起き抜けからめまいが酷くて起きることもできない日もありましたが、幸い私は足首の骨折のために休職していましたので、療養することができました。
登校する子どもを送り出すために起きても、ふらついて歩けない時もあり、子ども一人で朝ごはんを用意して登校してもらう日もありました。子どもがある程度自分のことは自分で出来る歳になっていたので幸いでしたs。
足が回復するにつれ、うちの中を歩き回ることもできるようになり、少しずつ動けるようになってきました。
しかし、耳鼻科受診で回復の度合いを測るために、診察の際に速い速度で診察台を倒したり起こしたりするだけで、気分が悪くなり帰宅するのがやっと、という時もありました。
足のギプスが取れましたがまったく左足首から先が動かない状態で、この時は足が元のように動くようになるのか。その方が心配でした。めまいは、上を向く、素早く振り向いたりするなど、起こりやすい動作をしないようにすれば、ひどくならない状態でしたので、受傷直後に懸念したほど心配な状態ではなく、服薬も1日3回から2回に減りました。
⑥復職後
良い理学療法士の先生にリハビリをしていただいて、順調に足が回復し、整形外科のドクターから服飾の許可が出て、そろそろと復帰しました。
足の方は動かすことがリハビリになり、心配ない状態になって行きましたが、最初に懸念していためまいの症状が出てきたのです。
キャビネットの上の方にあるファイルを撮ろうと上を向くとくらくらっと来る。
安全確認をするために後ろを振り向くとふらっとする。自転車に乗っているとクラッとしてしまい、進むことができずしばらく止まって休まないといけない。
そして一番めまいが起きやすかったのがリハビリで横になった後でした。
復職してから週2回、仕事を中抜けさせていただいてリハビリに行き、そこでうつ伏せになったり仰向けになったりした後に、ひどくめまいがしてきて嘔吐してしまったりしました。その後、待合室に座って休ませてもらっても回復せず、自宅に戻って横になって少し眠るとやっと治る、という状態でした。
ここに来て、こんなにめまいの症状に悩まされるなんて。
医師の「慣れるしかない」ということか・・・そう思うと、元の身体には戻れないんだなあ、と泣けてきました。
耳石を元に戻す体操もやっていますが、良くなったり変わらなかったり。すっきりめまいがなくなることはありません。
いつめまいが出るか分からない状態で仕事をしていくのは難しいかもしれませんが、この程度のめまいでは後遺障害認定もされない、と医師に言われました。
このめまいと、騙し騙し付き合っていくしかないんだなと、今は思っています。