こんばんは。
これは私の実家の庭です。
両親が生きている時の、手入れされた庭です。池があって、魚が泳ぎ、花が咲いています。
でもこの家は、今は空き家になっています。庭も手入れをされていず、きっと今は草が生い茂っていることでしょう。
私の両親は、自分の亡き後のことを全く考えず逝きました。そのため、今、きょうだいで少しずつ片付けています。弟はリモートワークなので、一人でしばらく滞在し、仕事しつつ、大量のゴミを捨てたとのこと。それでもまだ、全体の3割でしょうか・・・。
さて、私の姉の義両親は、3年半前から夫婦二人で暮らしていた家から、姉夫婦に引き取られて同居しています。
突然市役所から電話が来て、姉夫婦はその日のうちに両親を自宅に引き取って帰ってきました。
空き家になったその家は、その1年後くらいに業者もいれて片付け、売却しました。
姉夫婦は本当に大変な思いをして実家を処分したのだけど、出来て幸いでした。
姉の義両親は、ほっとしていたようです。後顧の憂いがなくなった、と。
そして、義父は食が細くなり、寝てしまうことが多くなってきた先月末に、義父の8歳下の弟さんが突然亡くなったと連絡が来たのです。
親代わりに面倒みてきた弟さんが急逝したことが、お義父さんにはとてもショックだったらしく、真夜中に妹さんに電話してしまったりしていたのですが、お通夜の日には忘れてしまって寝込んでしまい、行かなかったそうです。
それから眠り込む日と、冴えて喋り通して眠らない日が交互にきてから少し経ったころ、歩けなくなってしまったのです。それからほとんど眠っていて、食事も摂ることがなくなり、先日亡くなりました。
度々様子を見に行っていた私が声をかけた時、お義父さんは起きて宙を見ていました。
そして突然、「頑張る・・・」と言ったのです。
「この家にたたりなんてないよ、これからは、良いことばっかりだよ」
「人は許し合わなきゃならない。自分が許せば、相手も許してくれる」
「言葉は難しい。誤解を生む。だから気をつけなきゃならない」
など、誰に言うこともなく話していました。私は相槌を打ちながら涙が出てきました。
お義父さんは、今までの人生で感じたこと、考えてきたことを話している。人生のその時のことを思い出して話してくれてる。そしていつも「頑張って」人生を動かしてきた人なんだなあ、と。
お義父さんの人生の旅は、もうすぐ終わる。
そう思った時、「いのちの歌」を思い出しました。
「誰もがいつかはこの星にさよならをする時が来るけれど 命は続いていく」
そう、命は続いていくんだな、と。
姉にはひとり娘がいます。今年、大学生。
お義父さんが頑張ってきた人生の先に、孫がいるんだよ。
その2日後、私が伺った時は、お義父さんは目を覚ましませんでした。
そして次の日の朝、家族に囲まれて、手を握られて、声をかけられながら、人生を終えました。
本当に、お疲れ様でした。見事な人生でした。