テレビ朝日のスペシャルドラマ「津田梅子〜お札になった留学生〜」
https://www.tv-asahi.co.jp/tsudaumeko/
広瀬すずさん、池田エライザさんが出演されるとのこと。
「SUNNY 強い気持ち強い愛」で池田エライザさんを知って注目していたので、広瀬すずさんとの共演、「ひよっこ」で強い印象を残した佐久間由依さん、「鎌倉殿の13人」にも出演中の宮澤エマさんも留学生仲間として出演されるとのこと、ぜひ観ねば!と思ってチャンネルを合わせました。
7歳の女の子が11年も一度も帰国することなく異国に留学する。それを子役の皆さんが演じる姿を見ると、胸に迫るものがありますね。こんな小さな女の子が、お国のために親元から離れて使命を果たすためにアメリカに渡る。すごいことをしたなあ、当時の日本。
しかし帰国した留学生たちには活躍の場は与えられず、女性の学校を作るという役割を果たすことが出来ず、結婚する者、小さいけれども塾を開いく者、それぞれの道を行くことになる。
「ここは日本だ」「お前は俺の言う通りにしていればいいんだ!」「男なら良い仕事があるんですがね」・・・浴びせられる言葉が、今とそれほど変わっていないのは気のせいでしょうか?
アメリカで男女が対等な立場で生きることを常識として育ってきた留学生達には受け入れ難い日本の現実。
そんな中で美しく華やかで「結婚なんてするものですか」と断言していた捨松は、大山巌と結婚し、男の力を利用することを決意する。打算的な結婚ではあったようだが、ドラマでは愛情持って嫁いだように描かれていた。
大山巌に帯同して欧州視察に行くと思われていた捨松が、日本に留まることを選んだのは、妊娠したからであった。「愛する人の子どもよ」と言う捨松を、梅子と繁は彼女を抱きしめる。
ああ、妊娠するのは女性。女性のみが妊娠する性であるかぎり、それにとらわれてしまう・・・。それは捨松のような女性でさえも、ままならないのだ。
留学の途中で帰国した亮は、その後塾を開くがコレラでなくなってしまう。宮澤エマさんの儚げな美しさが印象的な亮でした。
印象深かったのが梅子の父。梅子の父は進歩的な考えて梅子を留学させたのだが、妻には男尊女卑の接し方をやめようとしない。梅子が留学から帰ってきて、梅子には当初お酌をさせないなど、妻とは扱いを変えていたのだが、次第に梅子の行動を制限し始める。
伊藤博文の妻女の家庭教師に梅子が斡旋されたが、住み込みが条件であったために反対し、梅子にもそれを告げない。「住み込みなんて、その家の主人が手を付けることもあるんだ!」と言う。そして「お前は俺の言う通りにしていればいいんだ!」と言い放つ。
この言葉、まったく同じ言葉を言った人のことを思い出しました。
私が結婚していた頃、義父が義母に言ったのです。
その時、私はそれを聞いてゾッとしました。義母は黙っていました。その時は私たち息子夫婦が来訪していた時で、他人という私がいたのにも関わらず、そんな言葉をいう義父に、信じられない想いを抱きました。
その後、夫にあんなこと言ってたね、と話したら「どうせお袋が逆らうようなこと言ったんだろ」という返事が返ってきたので、仰天しました。
まあこの父にしてその子あり、で私はその後夫と離婚しました。
「お前は俺の言う通りにしていればいいんだ」・・・奇しくもこのドラマで繰り返された言葉。これって明治の話ですよね?変わってないんだよなあ・・・と感じました。
それに対して梅子は「私は結婚しない」と断言するのです。そしてその言葉通り、梅子は生涯独身を貫きます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/津田梅子
ドラマは梅子が留学したところで一気に亡くなるところまで飛んで終わりましたが、帰国して津田塾大学を設立したことは言わずと知れた事ですね。
ドラマの中で、授業中生徒を激詰めする梅子の姿が描かれますが、なかなか激しい人だったようですね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/50954c9d3c7f64e516d70e8eb597e0de71c4e605
彼女たちが闘ってくれたから、今がある。
昼間、偶然見たNHKの番組の合間の数分、ジェンダーについて二人の女子高生が話す映像を観ました。その中で「シャチは閉経後のメスが群れを率いる」「シャチ最高」なんて言ってましたが「国会議員の女性の占める割合は、当初の8%から10%、そんなに変わっていない」とありました。
梅子たちが生きた明治と現代では、女性の扱いや地位はそんなに劇的に変化したわけではないのでは・・・と感じました。
NHKの映像の終わりの方で「でも女は総理大臣になれないよね」「そう思うことが一番の問題」と二人の女子高生は語っていました。
ドイツではメルケル首相が長く政権をとっていたため、男の子が「男でも首相になれるの?」と聞いたとか。
変えていけば、変わって行くものなのかもしれませんね。
女だって人間です!