事故当日の搬送から処置まで、続きます。
○病院での処置
全身、痛みや異常がないか触診、画像撮影などあったのですが、目はめまいで開けられないものの、意識ははっきりしているので、医師の問いには答えられ、どうもダメージを受けたのは傷は後頭部と左足首ということが判明してきたようでした。
後頭部の傷からの出血が止まらず、縫合することになったのですが、その前に血が溜まっている部分から絞り出す処置をされました。
申し訳ないですが、これが痛いのなんの!
「痛い痛い痛い、ちょっとどうにかなりませんか?!」
って言っちゃいました、普段は痛みに強い方なので大抵のことは我慢できるんですが。
そしたら麻酔を入れてくれました。ありがたい。医学の力、素晴らしい。 つーか早く入れてくれ。
ぎゅうぎゅう押してるのですが、首が痛くて、ちょ、待てよ、と思いましたがとにかく ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう。
そしたら血が吹き出して飛んだらしく、
「うわっ!」
「すみません、ちょっと気分が」
「いいから座って休んで・・・」
などと聞こえてきて、どうやら医師の1人が気分が悪くなってしまったようで、 「すみませんね、わたしの出血で・・・」 と申し訳ない気持ちでいたところ、頭を数針縫われて 「おいおい、出産の時も縫われたことなかったのに、人生初の縫合だよ」 なんて思いつつ、処置は終わったようで 「頭を縫合し、出血は止まった。脳の検査では脳内出血などの所見なし、足は骨折してはいないようなので捻挫でしょう」 ということを説明されました。
そして姉を呼んでくれ、処置を待っていてくれた姉と会えたました。
○その時わたしの心境
わたしは仕事中で、お客様のところに向かっているところでした。
横断歩道で見ていたスマホをいつもなら自転車の前かご荷物に入れるのですが、その時は上着のポケットに入れました。
その日は朝、肌寒くて、父が着ていたウィンドブレーカーを初めて着ていました。
一口水を飲んで行こうかな、と思いましたが、到着してからにしようと思い、青信号に替わってすぐに歩道を漕ぎ出しました。
もうすぐ渡り切るという時に、突然白いワンボックスカーが見えました。
危ない!と思った時に、夢の中のようにスローモーションになりました。
「わたしは自転車なので、バックすることはできない。でもスピードを上げて前に避けるのは時間的に無理、車がブレーキかけて止まってくれないか?」
そう考えていました。左後ろに歩行者がいるのが見え、前方にも歩道を渡ろうとスタートした人が数人いるのが分かりました。
「こんなにわたし以外に人がいるのに、なんでこの車は徐行しないで突っ込んで来るんだろう?」
そう考えていました。
車のブレーキに期待したのですが、全く止まる様子はなく、車はわたしにヒットしました。
ちょうど、引き寄せられるように衝突したのです。
自転車の側面がガツン!!と音を立てて当たり、うわっ当っちゃった!夢じゃなかった〜と思ったら、地面に倒れていました。
「わたしを待っているお客様がいる」
「ああ、仕事に穴を開けてしまった」
「子どもはどうしよう」
「これは怪我しているから元の生活はできない」
「悔しい、悔しい、なんで」
「あの車はなんで徐行もしないで突っ込んできたの?」
「ああ、みんなに迷惑かけてしまう。申し訳ない」
充分、気をつけて来たつもりだったのですが、事故に遭ってしまった。
その悔しさと申し訳なさ、不安で涙が止まりませんでした。
わたしは人生で4回入院しましたが、一番痛くて、つらい入院生活になりました。